


SOLD OUT
ハイニへン「新しい通奏低音奏法」(1711年)
-全訳と解説
ヨハン・ダーヴィト・ハイニヘン(著)
久保田慶一(編著・訳)
小沢優子(訳)
初版発行:2022年1月14日
体裁・総頁:A5判並製・324頁
ISBN:978-4-8105-30606-3 C3073
装幀:高木達樹
■内容
J.S.バッハと同時代のハイニヘンの実践的教本、待望の完訳。
ハイニヘンはバッハの2歳年上、バッハがケーテンの宮廷楽長に就任した同じ年に、ザクセン選帝侯下のドレスデンの宮廷楽長となった人物。
弱冠28歳で、本書『新しい通奏低音奏法』をハンブルクで出版。書名に「愛好家が独学でも通奏低音を習得できるように」とうたい、多数の譜例を掲載して、徹底的に実践的にまとめられた教本です。
この時代の即興や作曲に関する考え方、劇場様式(レチタティーヴォ)の奏法、修辞学と関連したインヴェンツィオ(主題)の創作、アフェクト(情念)の表現についても説明されており、バロック音楽を理解するための最高の概説書ともなっています。
本訳書の特徴はもう一つ。
ハイニヘンは46歳で若くして亡くなりましたが、その直前に、900頁を超える大著『作曲における通奏低音』(1728年)を出版しています。これは前著の増補改訂版と言えるため、本書の「解説」では、2冊の間でどのような相違があるのか、ハイニヘンの音楽観の変化など、そのエッセンスを詳しく紹介。
この1冊で、ハイニヘンの著書2冊についての概要をつかめるようになっています。
「付録」には、ハイニヘンが2冊の著書で紹介したチェザリーニとアレッサンドロ・スカルラッティのカンタータ全曲を、ハイニヘンの指示に基づいて現代のチェンバロ奏者がリアリゼーションした例を掲載。
■著者
ヨハン・ダーヴィト・ハイニヘン(1683-1729)
J.S.バッハと同時代に、ザクセン選帝侯下のドレスデンの宮廷楽長をつとめた人物。ヴァルターは『音楽辞典』でバッハよりも多くの紙幅をさいてハイニヘンを紹介し、音楽史家C.バーニーは「ドイツのラモー」とハイニヘンを称えている。
弱冠28歳で『新しい通奏低音奏法(1711年)』を執筆。46歳で早世する直前、900頁を超える大著『作曲における通奏低音(1728年)』を出版する。これは1711年の著作の増補改訂版と言えるため、本訳書の「解説」では、2冊の相違点や音楽観の変化も詳しく紹介している。
■編著・訳
久保田慶一(くぼた・けいいち)
東京藝術大学大学院修士課程を修了。ドイツ学術交流会の奨学生としてフライブルク大学、ハンブルク大学、ベルリン自由大学に短期留学。東京学芸大学教授、国立音楽大学教授・副学長を経て、現在、東京経済大学客員教授。著書=『バッハ』(作曲家◎人と作品シリーズ)、『バッハの四兄弟』、『エマヌエル・バッハ』、『モーツァルト家のキャリア教育』など。訳書=L.モーツァルト『ヴァイオリン奏法』、K.パウルスマイアー『記譜法の歴史』。
■訳
小沢優子(おざわ・ゆうこ)
東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程修了。現在、愛知県立芸術大学、南山大学、三重大学、椙山女学園大学各非常勤講師。共訳書=R.アンガーミュラー『モーツァルト殺人法廷』。