「記録の神様」山内以九士と野球の青春
室 靖治(著)
初版発行:2022年6月30日
体裁・総頁:四六判並製・244頁
ISBN:978-4-8105-2142-9 C0021
装幀:高木達樹
■内容
「奇人・変人・記録の虫」。
野球の「記録」に生涯を賭けた、山内以九士(やまのうち いくじ 1902-1972)初の評伝。
日本野球界で「記録の神様」と呼ばれる人物は複数いる。
第一世代の直木松太郎
第二世代の広瀬謙三・山内以九士
第三世代の宇佐美徹也、千葉功
直木に師事し、宇佐美、千葉らを育てたのが以九士です。
「以九士」はペンネームで、野球(ナイン=9)をも(以)って生きる男(士)、という意味を込めたとのこと。
松江の豪商の跡取りとして、代々続く「山内佐助」という名前を襲名しましたが、その名前を捨て、野球に生きる覚悟を示したペンネームです。
公式記録員として作りつづけた精確無比のスコアカード、米大リーグの関係者からも絶賛された「ベースボール・レディ・レコナー」(打率早見表)… その偉業は、球界関係者だけでなく野球ファンからも尊敬を集め、1985年に野球殿堂入りを果たしました。
著者は以九士の孫。
生涯をつぶさに追いながら、以九士が生きた日本野球の青春時代を描きます。
[書評・紹介記事多数]
スポーツ報知、読売新聞、日経新聞、北海道新聞、山陰中央新報、夕刊フジ、共同通信、公明新聞、聖教新聞、週刊ベースボール、月刊潮、他
■目次
1 野球狂への道
山内佐助商店/数字の魔力/慶応野球部/松江の野球
2 プロ野球の始まり
一九三六年/野球成績早見表/「以九士」誕生/奇人・変人:山内以九士という男
3 敗戦と再出発
戦争と野球/再開/快記録・珍記録/台風と大火
4 光と影
二リーグ分裂/ベースボール・レディ・レコナー/「記録のことならパ・リーグに聞け」/高まる名声と生家の悲劇/もう一人の「記録の神様」
5 未完の記録
引退/終焉/山内以九士が残したもの
[巻末]人名索引・年表
■著者
室靖治(むろ・やすじ)
1967年兵庫県生まれ。都立武蔵高校、千葉大学法経学部卒。90年に読売新聞社(現・読売新聞東京本社)に入り、富山支局、生活情報部、福島支局、人事部、読者センターなどを経て現在は編集局デジタル編集部所属。趣味は鉄道と古書店巡り。山内以九士の孫。