レルヒ 日本にスキーを伝えた将校〈増補新版〉
新井 博(著)
初版発行:2022年3月
体裁・総頁:四六判並製・240頁
ISBN:978-4-8105-2140-5
装幀:高木達樹
■内容
朝日新聞「天声人語」で紹介された波乱万丈のレルヒ評伝、待望の増補新版。
「あの敗戦、その挫折、この困窮――。映画かドラマの脚本を書いてみたくなるほどの波乱に満ちた後半生ではないか。」(天声人語 2019.2.7)
明治末期、軍事視察のため来日したオーストリア・ハンガリー帝国の参謀将校レルヒ。
日本軍の要請で、滑走技術のみならず、競技会・スキーツアーの開催法、軍隊での雪中露営・行軍の方法など、体系的なスキー指導を行った。
レルヒは故国ウィーンで、ツダルスキーらと共にアルペンスキークラブで活躍し、帝国軍へのスキー導入を行った、筋金入りのスキー愛好家だった。帰国後のレルヒは、第一次大戦の戦禍に巻き込まれ、最前線で指揮をとる。しかし敗戦、故国は瓦解。苦悩の後半生となった。
しかし日本では、レルヒのまいた種が大きく成長していた。
新版では、レルヒ後の日本スキーの発展を描く新稿50ページを増補。
スキーは他のスポーツよりはるかに遅れて日本に入ってきたにもかかわらず、瞬く間にオリンピック参加を目指すまでに飛躍した。
その原動力となったのは何だったのか?
■著者(プロフィールは2022年2月現在)
新井博(あらい・ひろし)
1956年栃木県生まれ。筑波大学大学院博士課程体育科学研究科単位取得退学。博士(学術)。 福井大学,びわこ成蹊スポーツ大学を経て,現在,日本福祉大学スポーツ科学部スポーツ科学科教授。日本体育史学会会長。 専門は,体育史,スポーツ産業史。
近年の主な著作:
共編著『郷土史大系 観光・娯楽・スポーツ』(朝倉書店,2021年)
共編著『スポーツ技術・戦術史』(流通経済大学出版会,2021年)
共編著『スキー研究 100年の軌跡と展望』(道和書院,2021年)
編著 『新版 スポーツの歴史と文化』(道和書院,2019年)など。